相続手続

 遺産承継業務とは、司法書士が依頼者様(相続人)の代理人として、亡くなった方の相続財産(不動産・預貯金・株式・生命保険など)を調査し、遺産分割協議書の内容に従って各相続人へ承継させる手続を行うことをいいます。 
 似たような制度として、家庭裁判所により選任される「相続財産管理人制度」があります。最大の違いは、家庭裁判所が関与せず相続人からのご依頼による「遺産管理人(遺産承継業務受任者)」として、司法書士が業務を行う部分です。
 金融機関(銀行・証券会社など)での相続手続を相続人がご自身で行うことは、非常に手間と労力がかかります。まして、銀行の窓口は平日9時〜15時の間でしか対応してくれません。そこで、司法書士を遺産管理人にすれば、相続人の代理人として金融機関などでの手続を代わりに行うことができます。

遺産承継業務の一覧

  1. 戸籍謄本等の収集による相続人の確定
  2. 公正証書遺言の検索
  3. 遺産分割協議書の作成
  4. 相続関係説明図の作成
  5. 財産目録の作成
  6. 不動産の名義変更(相続登記)
  7. 預貯金等の解約手続、残高証明書の発行手続
  8. 株式、投資信託等の名義変更及び換価手続
  9. 保険金、給付金の請求
  10. 各相続人への遺産の分配

 相続手続は非常に多岐に渡る上、求められる法律の知識も多くかつ難解です。相続人が兄弟や従兄弟まで及ぶケースでは、戸籍集めだけで数ヶ月を要してしまうこともあります。
 ただでさえ大切な家族を亡くされて心身共に憔悴しているところに、上記の手続を日常の生活と並行しながら進めなければならない相続人の負担は計り知れません。一人で抱え込まず、まずは専門家にご相談ください。
 また、相続問題はどうしても家庭問題の深部まで掘り下げることになるため、依頼者様(相続人)と専門家との信頼関係の構築が非常に重要です。まして、相続業務は数ヶ月以上の長期間に及ぶケースが殆どです。
 長い付き合いになる相手ですから、専門家選びは慎重に行ってください。「何となくこの先生は話しにくいな、合わないな」と感じたら、相談・見積作成の段階で断ることも大切です。

各士業における相続手続の業務範囲

業務内容 司法書士 弁護士 行政書士 ※1 税理士
相続登記
(不動産の名義変更)
△ ※2 × ×
法定相続人調査
(戸籍謄本等の収集)
相続財産調査
(残高証明書等の収集)
相続放棄の申立 △ ※3 × ×
遺言検認の申立 △ ※3 × ×
遺産分割協議書の作成 △ ※4 △ ※4 △ ※4
相続税の申告 × △ ※5 ×
預貯金の解約払戻し
有価証券の名義変更
自動車の名義変更 × × ×
相続人間の紛争解決 △ ※6 × ×

※1 
行政書士は、法的紛争・税務申告・登記申請に関する業務を除き、遺産分割協議書等の書類作成に対応できる場合がある。
※2 
司法書士に任せるケースが多い。
※3 
司法書士は裁判所提出書類の作成はできるが、家庭裁判所での代理人にはなれない。
※4 
事案によって異なる。
遺産分割協議での代理交渉や、その交渉をまとめた遺産分割協議書の作成は、弁護士のみ可能。
※5
国税局長に税理士業務を行う旨の通知をした弁護士は可能。
※6 
認定司法書士に限り、140万円以下の遺留分侵害額請求に関する対応等は可能。